ライブのサウンドチェック

私は数多くのライブを経験して来ました。何本のライブをしたのかは分からない位ですね。
ライブは基本的にレコーディングとは違って、ミックスダウンは出来ません当たり前の話です。ですから各楽器のバランスや定位も一発勝負的な事になります。ミキサーの方の腕も問われるので、ミュージシャン対ミキサーの方の連携が凄く大切になるし対決みたいな感覚まで生まれます。
なのでライブの良し悪しを大きく左右するのはサウンドチェックです。

では・・・現場ではどんな感じでサウンドチェックをしているのか、私の経験から学んだ事を書きたいと思います。時代は変わってもサウンドチェックの方法は大差が無いはずですので、今からミュージシャンを目指す方にも現場のサウンドチェックの仕方を紹介して置きたいと思います。また宅録の参考になるとも思います。

何は無くてもまずはドラムのバランスから入ります。
まずはキックから入ります。キックの定位とボリュームが基本に来るのです。ドラマーはまずキックをミキサーの方からリクエストされます。ここでまずドラマーの腕が問われるのです。簡単なキックと思われがちですが、一定の音量でキックを鳴らせるのは中々難しい事なのです。
ここでキックの音量や音圧にバラつきがあると何も始まらないからです。上手いドラマーはここが凄いのです。スタジオ・ミュージシャンの凄いのはキックの安定が本当に一定なのです。

次はスネアになります。当然ですが一つ打ちです。スネアに関しては強いタッチと弱いタッチの両方をリクエストされます。それでOKが出ればその次がキックとスネアのバランスを取ります。ここ迄は基本中の基本です。ギタリストはまだまだ出番はありません。じっと待ってモニターから聴こえる音に注意をはらっています。

次もまだまだドラマーのサウンドチェックが続きます。次はタムをリクエストされます。フロアタムも当然含まれます。丹念にタムを一つずつ鳴らして行きます。この時はキックとスネアはお休みです。そこでOKが出てようやくハイハットに移りますが、殆どはキック・スネア・ハイハットでシンプルなパターンを叩きます。16はまず叩きません。基本は8のゆっくりとしたパターンを叩きます。結構な時間叩いてバランスを取っていましたね。
その後はトップシンバルを叩いてまた8の淡々としたリズムを刻みます。ドラムにはやはり一番時間が掛かりますね。
その後は8のパターンにタムを交えたオカズを入れることをリクエストされます。トップ以外のシンバルはたまに鳴らすだけで余り時間は使いません。
とにかくキックとスネアそしてタム・ハイハットのバランスが大切なのです。
ドラマーは本当に大変な作業だったと思いますね。何しろ鳴らす物が多いですし、ライブではドラムの音が基本になりますから。
何よりもドラムの定位とリバーブの掛かり具合で全体のサウンドが決まってしまいますから。ミキサーの方は本当に大変な仕事だと思います。スネアの響きひとつ取っても難しいのですから・・・。ドラマーもそれを分かっていて協力して叩いているのがサウンドチェックです。

ドラムが終わると次はベースです。ベースは基本的にはフレーズの指定はありませんが、速弾きはご法度ですね。何でもかんでも勝手に弾くのではなく、ミキサーの方の調整がメインなのですから調整し易いフレーズで弾くのは常識です。ですからシンプルな音使いで何か弾きます。ベースも音圧とボリュームが一定である事が要求されます。
ミキサーさんによってはここでベースとドラム同時に何かリクエストされる事がありますが、殆どは8の基本パターンですね。

その後はギターだったりキーボードだったりします。ミキサーさんにもよりますが殆どはまずはピアノが先ですね。私の時代は殆どピアノは生ピアノではなくて、流行りはヤマハのCPでしたね。
その流れでキーボードが先にサウンドチェックをする事の方が多かったです。シンセもやってしまいますね。DX7のエレピやストリングスや色々ミキサーの方からリクエストされた音を出す事が殆どですね。
キーボードも少し時間が掛かりました。やはり色々な音を出すので仕方がありませんね。

そしてようやく・・・ギターのサウンドチェックが始まります。ギターは他の楽器に比べると本当に簡単ですね。まずはソロを弾く事をリクエストされます。
そのライブで弾く曲の時もあれば、勝手にアドリブを弾いてもどちらでもOKでした。基本は歪んだ音で弾いていました。クリーンのソロは余り弾いた記憶がありませんね。その時のライブで弾く最大の音量で弾きます。まずはバランスが大切なので一番大きな音量で弾かなくては意味がありませんね。
次にカッティングに移りますが歪ませてパワーコードで弾いたりしますが、私は余り弾きませんでしたね。クリーンで16のカッティングを弾いていた事が多かったですね。
その次にコーラスを掛けたアルペジオなんかも取り混ぜて弾いていました。ギターはあっけ無いくらい早く終わりますね。どちらかと云うとアコギの方が時間が掛かりましたね。
アコギの方が意外とミキサーさんは苦労していたみたいですね。とにかく強いタッチのアルペジオを弾いていましたね。ストロークは余り弾きませんでしたね。

その後はホーンが入っていれば殆ど揃って吹かされていましたし、コーラスの方も揃って歌っていました。ホーンとコーラスは一括りとしてサウンドチェックをしていましたね。

これで終わりだと良いのですがミキサーの方によっては、マイクのセッティングを替えたりもします。アシスタントの方にマイクの位置の変更を指示したりして、もう一度音を下さいなんて事はよくある事です。
ギターのマイクの位置は良く動かされた経験が何度もあります。ギターアンプのスピーカーの前に立てるマイクの角度とか方向を調整していましたね。
ベースは基本DIからライン撮りが殆どなのでマイクは使いませんでしたね。ベースアンプはモニター代わりの感じです。

全ての楽器が終わると全体で何か一曲がようやく始まります。触りだけですけれどね・・・。
そこで少し休憩してからバンド全体で2~3曲演奏しますね。
ボーカルの方なんかは客席で聴いている事も度々ありました。全体の音を把握したいのだと思います。

この時に私達ミュージシャン側からモニターの返りのリクエストをステージサイドのミキサーさんのアシスタントの方にお願いしますね。キックを大きくとかベースを大きくとか色々と自分の好みを伝えます。
何しろライブではモニターの返りのバランスが悪いと、凄く弾きにくいです。私はとにかくスネアとキックを多目に返して貰うのが好みでしたから。
ライブ中にモニターが死んでしまう事もありますが、そんな時は隣のベーシストの所に行ってベースのモニターの前で弾いていたなんて事もありました。とにかくモニター命ですから、演奏中にステージサイドに目をやってモニターを上げてくれと手で合図する事もよくありました。

最近のライブでは、モニターにプラスしてイヤホーンを付けているのを見かけますが私達の時代にはありませんでした。良い方法だと思いますね。
当時はドラマーが密閉型のヘッドホンを付けて演奏するくらいでしたが、ドラマーに聞いたら長丁場のライブでは疲れると言っていました・・・。

こんな地道な作業をミュージシャンとミキサーさんの連携でライブのサウンドチェックは進行しています。会場によってそれぞれ鳴り方も違うし、リバーブ感も変わりますからね。少しでも聴いてくれる方に良い音を届ける事がステージ側の責任ですから。
サウンドチェックと一言で終わらせるのは簡単ですが、奥が深いのです。

パーカッションを忘れていました・・・ドラムの後とかベースの後が多かったと思います。

ライブはチャンネル数にも限りがあるし、ミキサーさんの腕が大きく影響します。私達ミュージシャンも気合を入れてサウンドチェックに臨んでいました。
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コメント

サウンドチェック

プロのライブとは比べ物になりませんが、自分も河合楽器の発表会をホールで行うときには、似たような感じで、サウンドチェックをやってもらっていました。

ただ、ギターはおまけみたいな扱いで、卓で調整するから、ホールに響かないようにアンプはしぼっておくようにとだけ言われました。

モニターの返しが少ないので、アンプを上げると注意されたり、自分でリードとバッキングの音量調整をすると、スコアを見ながらバランスをいじるから、それも不要だと叱られた思い出があります。

ギターマジシャンさん

いつもコメントありがとうございます。

やはりサウンドチェックはプロ・アマ問わずミキサーの方のルーティーンワークがあるので殆ど同じだと思いますね。
ただスコアを見るからソロもバッキングも同じ音量で弾くとの指定は、珍しいですね。レコーディングは確かにミックスダウンが出来るので同じ音量で問題は無いのですが・・・。

スコアを見て調整するとは・・・スコアの読めるミキサーさんなのですね。ただ間に合わせるのが大変かと思いますが。
色々なタイプのミキサーさんがいるので、一概には言えませんが珍しいと思います。

サウンドチェックは他のメンバーが聞いているので、みっともないフレーズを弾くのが出来ないのが辛かったですね。流行りの曲のギターソロなんかコピーして弾くと結構受けが良かったですね。

モニターは殆どが爆音でしたね。自分のギターもステレオでかなりのボリュームを出していたのでモニターの音が小さいと弾けませんでした。懐かしいですね。

苦い思い出

さすが、プロのサウンドチェックですね。
その様子も臨場感がヒシヒシです。
全体のサウンドを卓でコントロールするような大きなライブはそれほど経験がありません。

それでも何回か経験した中で、一番苦い思い出は、ビッグバンドのコンサートで、途中、リズム隊でのややフュージョン的なものをはさんだ3部構成のステージ。
ミキサーの方が年配(というより老人)で、ブラスだけが前面に出て、リズム隊は奥に引っ込み、さらにギターは普段は聞こえないくらいがいいのだ(フレディーグリーンか!)というバランスで構成されてしまいました。
あとで友人に聞くと、第2部のフュージョンステージもギター、余り聞こえなかったよ、と言われてしまったこと。ステージの上では自分の音が普通に聞こえているだけに、余計厄介だなと思いました。

AKIさん

コメントありがとうございます。

フレディ・グリーンですか・・・懐かしい名前が出ましたね。カウント・ベイシーの重鎮ですね。
彼の作った”コーナーポケット”はマンハッタン・トランスファーのバージョンが最高ですよね。
確かに一時期のビックバンドのギターの立位置を確立した人ですが、アンプを使わない事もあって中々聞き取れないのが残念です。

なのでその時のミキサーさんはビックバンドのギターは、そんなもんだと思い込む人だったのだと思います。ブラスの音量は、まとまるととても大きので、ウッドベースすら聞こえなくなる事もしばしばあります。現代はそんな事はありませんね。
近年は4ビート物でもベースの前乗りのランニングが主流なのでリズム隊(ギターを含む)の音量は比較的大きくなっていますから。
古い時代のミキサーさんだったと思うしかないですね。

ましてやフュージョンチックな曲ならギターは重要なパートですから、明らかにミキサーさんは昔気質のお方だったと思います。残念な事です。
私もビックバンドとは何度も演奏しましたが、運良く上手いミキサーさんだった事もあってギターの音は比較的聞こえていたと思います。私自身の音量もデカかったのですが(笑)。

折角友人の方が聴きに来られて残念結果だった事は、良く分かります。そんな訳でミキサーさんの腕で客席で聞こえる音は全然変わってしまうのでミュージシャン側とミキサーさんのコミニュケーションは大切なのだと思います。
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