プロセスと結果と音楽と

体調が悪い中、何故か書きたい衝動に駆られて今回は中年オヤジの愚痴っぽい記事を書こうかと思います。

私達世代は物心付いてから、音楽に様々なジャンルが出現して来た世代でフォークがニューミュージックに変化したり、ハードロックからヘビーメタルやスラシュメタルが派生したり、ロックとジャズが融合してクロスオーバーからフュージョンへ変化したり、パンクロックやテクノポップの出現や、ラップ・ミュージックが黒人音楽のメインストリームとして定着したり、果ては前衛テクノとか環境音楽まで出現して、60年代から90年代の短い期間の中で色々な体験を強いられてきました。

どのジャンルの音楽にも格好良さはあるし、それがジャンルとして認知される過程にはミュージシャンの探究心や苦悩があったはずです。
格好の良い音楽をリスナーが共感したからこそ、その結果格好良い音楽として認識される訳でそこに至るプロセスも充分に裏付けがあったり、プロセスも含め格好良いからこそだと思います。

私はブログに書いて頂いたコメントは、過去に一度だけしか削除したことがありませんでした。半年ほど前でした。おそらく20才前後の若者のその内容は「格好良けりゃいいじゃん・・・小難しい話はやめてよ」的な何とも言えない内容のコメントで個人的に返信する事すらバカバカしい感じがして削除させて貰いました。
”格好良けりゃ・・・”誰があなたの音楽を格好良いと判断しているのか?自分とその周辺の友人ぐらいが褒め称えるぐらいでは格好良いのではなく、自己満足と傷の舐め合いくらいにしか考えられません。

音楽に格好良さは大きなウエイトを持つと思います。ギタリストなら少しでも格好の良いソロを弾きたいし、バッキングのリズムだって格好良くグルーブさせたいはずです。
私達世代はそんな中で音楽と向き合ってきたし、新しく切り開かれて出現した”音”に耳を傾けて何処が格好の良い所か、音楽としてどうなのか・・・常に感じてやって来ました。
少なくとも私個人はそうして音楽を聴いて感じてプレイして来ました。

今の若い世代のミュージシャンも是非そうであって欲しいと思いますが、どうも最近はそうでもないんじゃないかと感じてしています。
音楽を始める時に既に全てのジャンルが出揃っていて、選択肢は数限りなくあるけれど逆にそれが「人のやっていない事」の方が格好の良いと思う考えを持つ若者が増えた気がします。
その代表がエアギターであり、果てはエアバンドであったり・・・。
それらを支持する層があって人気がある事が私には信じ難いです。いったいどんなプロセスを経てそこに辿り着いたのか?そのプロセスに格好の良い事があったのか?結果は音楽的に何か格好良い
のか?

売れたもん勝ち的な音楽は80年代初めには既に存在していましたが、それらは本当に格好良かったしその音楽の持つバックグラウンドにも充分に格好良さを感じられました。
一億枚以上のセールスを記録した世界で一番売れたマイケル・ジャクソンのアルバムでさえ本当に格好良かったです。
日本も10万枚売れれば大ヒットと言われていた時代が、その時期を境にミリオンヒットやダブルミリオンなんて売れ方して、売れたもん勝ちの風調は存在しますが全部が全部とは言いませんが音楽として売れるだけの事はあると思わせてくれます。

私は最後まで好きになれなかったバンド”アート・オブ・ノイズ”を坂本龍一氏は絶賛していました。私には理解出来ない音でしたが、氏の解説を聞いたり読んだりすると納得出来る部分も多々ありました。坂本龍一さんレベルの音楽的バックグラウンドがあればこそ理解できる音なんだと考えました。
私も環境音楽のメジャーバンド”ペンギン・カフェ・オーケストラ”なんかは格好良いとして聞いていました。

今の若者の言う格好の良い音楽には節度が感じられない事が一番です。結果節操のない音楽の垂れ流しにしか聞こえません。人がやっていないから面白いは、イコール格好良いとは違うと思います。結果オーライでは決していい音楽は生まれません。そこに至るプロセスは大切だと思います。
我々が体験してきた音楽には節度はきちっとあったと思います。だからこそ共感できたし聴き続けているんでしょう。

最近の東京の若者は節度を持たなくなった集団にしか見えませんが、それを音楽の世界には持ち込まないで欲しいと願うばかりです。
音楽的な節度だけは失わないで新しい音を生み出して欲しいと思います。

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コメント

その通りですね

私も今の若いのに同じ事感じてました。音楽始めて数年でコルトレン命とか、ギター始めて数年でエルモア ジェイムズ最高とかw
プロセス無しで、人と違う自分を演じ酔いしれてる若者が多くなりました。情報だけは安易に入手できますからね。つまみ食いですね。その彼が30年後に音楽を愛している事は無いでしょうねと中学時代から愛聴盤「ブルースブレーカーズ」のミックテイラ-聞きながら思いました。

kenさん

同じこと感じて頂いていたんですね。今の若者は幸せな世代だと思っていたんですが、逆にkenさんの仰る通りの”つまみ食い”は正論だと思います。
自分達で何かを生み出すって事が”つまみ食い”の中からやりたい事を探さないといけないのかも知れません。
年寄りの愚痴ではないはずですね。やはり音楽は過程も大事な事だと思います。

No title

ギリギリで昭和に生まれた世代としては、様々な音楽ジャンルが発祥・変化するのをリアルタイムで感じられた方々が羨ましいです。

おそらくですが、平成生まれの人たちにとって自分が聞いたことの無い音楽を知るためのツールはYoutube等の動画サイトが主流だと思うんです。
そうなると今までの過程を考えるまでも無く、過去の有名なアーティストは全て同列上に捉えてしまうんじゃないでしょうか。
モンゴメリーやカールトン、デビット・T・ウォーカーやルカサー、インギー等も「有名なギタリスト」として同じ時期に知り、同じ括りでまとめられてるんだと思います。

ギタリストの名前をメモしてYoutubeで再生して「あんま好きじゃないから他の人の曲聞こう」と、じっくり聞かずに次の曲へ。
節操の無い音楽が増えてきたのも、PCの「戻る」をクリックさせにくい、わかりやすいインパクトのある曲ばかり聞いているせいじゃないかと思いました。

長文になってしまい申し訳ありません…。

若輩者さん

若輩者さんのコメントを読ませて頂いて、成る程と思いました。
我々が現体験して来たギタリストも既に峠をすぎていて、若者にはひとくくりで上手いギタリスト達と認識しても仕方のないことですよね。
疑似体験で音楽的に影響を受けるのは難しいのかも知れません。
若い人の意見を聞けて本当に良かったです。
このブログでこう言った意見が聞けて本当に嬉しいです。

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