チューニングとピッチの調整について。

ギターは弦が6本(最近は7本のも出てますが)と6本それぞれに副弦を足した12本が基本的です。
ギターの弦はギターのカテゴリーによって種類・ゲージ・スケールは様々ですが、私が最も親しんだ6弦エレクトリック・ギターに付いて書く事にします。

プロ・アマ問わず、チューニングの甘いギタリストは度々見かけます。
日本のトップ・ギタリストの一人、高〇正〇さんは私が聴く限り、初期の頃からギターのピッチがアンサンブルに対して微妙ですが常に低く聴こえます。チョーキングも若干ですが低い所で安定しているので、もしかしたらご本人の癖なのかと思います。
ただいつ聴いてもいつも一定の感じで低いので不思議です。ひょっとして狙っているのかも知れません。
代表曲ブルー・〇グーンのテーマの出だし2個目Bの音はいつ聴いても低いと思います。

ピッチが甘い音はアンサンブル上で他の楽器の出す音と微妙にぶつかるので、他の奏者の安定したピッチに影響を与えてしまいます。
特に管楽器やバイオリン等の常に耳でピッチを探して演奏する楽器は、全体の中にずれたピッチが鳴ると自分のピッチが取り難い状況になってしまいます。
アンサンブル以上にもっと深刻な状況はソロ・ギターの時で、各弦のピッチ・バランスが合って無いと何を弾いても違和感しか感じられません。

チューニングと一口に言ってもでギタリストそれぞれの方法論があってこれが正解・・・とは言い切れないのがチューニングの難しい所です。単音のソロなんかはチューナーの目盛り一つ程、高目に合わせると音抜けが良くなるなんて言われてました(本当はどうなのか分かりません)。
ピアノの様に調律師の方が演奏前に完璧なピッチにセッティングして頂けるなら悩まずに弾けるんですが。その調律師の方ですらピアニストのご指名がある位ですから、やはり調律師の方各個人にも癖や弾く側にも好みのピッチがあるんだと思います。
なのでギタリストも色々な角度から様々な方法で自分なりの工夫でピッチ調整をするしか無いと思います。
最近はギター・テクと呼ばれる方がステージ前にミュージシャンのギターを調整してスタンバイさせてますが、それは弾き手の要望に合わせた調整をしてくれる訳でギタリストの側のポイントが無いと調整も上手く行かないと思います。

私も過去にリペアーショップから戻ったギターが妙なチュ-ニングで、全部自分で戻した事もあります。リペアマンとの好みの違いだったんだと思います。
自分の弾き易いピッチはやはり自分でポイントを掴むのが大切だと思います。

私が長年ギターを弾いてきて自分で身に付けたチュ-ニングは、こんな感じです。
あくまでも私個人がやっている方法や考え方ですから、あくまでも参考にして頂けたらと思います。

まずは何はなくても“チューナー”を使います。
チューナーが無い時代を経験して来た私としては、チューナーのありがたさは身に染みています。
ある調律師の方がいっていましたが、絶対に人間の耳でかなわないのが“疲れや体調”が影響しない事だそうです。
確かに疲れた時は耳が死んでくる・・・って状態ですね。

チューナーを使ってまずはオクターブ・ピッチを調整します。
この時は弦が新品か何日目か・・が大きく影響します。新品の弦は倍音をかなり出しますし、古いと弦その物が伸びて安定しません。私は新品を張って2~3時間弾いた時に合わせます。特に理由はないですが習慣みたいなものです。(エリクサーは新品から行けます・・)

オクターブピッチは理論上は多分ネックが真っ直ぐな状態が一番合うと思いますが、ネックは常に微妙にソリが発生していてゲージが太いと弦の張力でソリます。ですから、完璧なオクターブ調整は無理だと考えて多少の妥協はします。
一般的にオクターブ調整は12fの実音とハーモニックスの音程が合うように調整します。ただこれも、ハーモニックスのポイントが一定している事と実音ほ弾く際の押えた指のフレットに対しての位置が一定している事の2点が大切です。

ハーモニックスと実音を合わせるのはもう一つ大事なあって7Fのハーモニックスと実音です。
12Fのオクターブ調整と同じ位重要なポイントです。ネックのソリの状態を判断する事も出来るので、私はこのポイントの調整も一緒にしています。

実際にギターを弾く際にはハ-モニックスの音は頻繁には使いません。オクターブ調整の目的はハーモニックスと実音を合わせる事によって、同一弦でのオクターブ離れた実音同士のピッチを合わせる事だと思います。

私は3Fと15F・5Fと17Fの実音同士のピッチが合うところを探します。1弦で言えばGとAの2種類がオクターブ離れているので計4つの音が合う一番の妥協点を見つけます。ただし高い音の方が絶対に低くならないのが原則です。
理由は実際の演奏時は音程が高くなった時にピッチが下がると違和感を感じさせます、逆に音程が低い時にピッチが高いのも同様です。
実音をチューナーで測ると分かると思いますが、近年のジャンボフレットなんかでは特に顕著ですが弦を押さえる力で若干ピッチが変ります。ですから常に一定の力で弦を抑える必要がありますが、慣れれば特に問題は無いと思います。1~6弦まで全部を同じやり方で合わせてオクターブ調整は終了します。正し5・6弦は弦のバラつきや17Fの音はあまり安定しません。ゲージのの問題もありますし、あまりシビアに合わせようとしても中々難しいと思います。

フルアコやアコースティク(スティール・ガット等)系のギターは例外を除いては、細かいオクターブ調整が出来ません。当初からハイポジションで弾く事を想定していなかった事のなごりだと思いますが、近年はハイポジションも当然多用しますし、弾き手が何処まで妥協して弾ける調整(弦のゲージ選択・ブリッジの駒の高さ調整)をするかしかありません。店頭のフルアコが違和感のあるピッチなのも(意外に多いです)、仕方の無い事だと思います。ギターのチューニングは妥協も必要だと考えるしかないと思います。

チューニングに関してシビアに拘るなら、最新のギターにある様なアールの全くない指盤にゆがみとソリのないネックのギターに適度に細いゲージの弦を張って極端に弦高を低くセットすればかなりの精度でオクターブ調整が出来ると思います。
更に、セッションギタリストで有名なバジー・フェイトン(バズ・・と言う表記もありますが、私の世代はバジーでした)の考案したチューニング・システムを組み合わせれば完璧に近いと思います。

ここから通常のチューニングをします。
まずはチューナーで大雑把に6本を合わせますが、6弦から1弦に向かってチューニングすると1弦が終わった時には6弦側の音程が下がってしまうのがギターの特性なので、次は6本の音程が揃う様に3・4弦をまず調整して1・2弦と5・6弦を合わせて微調整します。
それでも又それぞれズレるのでもう一度細かく合わせます。
ここまでを開放でやってもいいと思います。
6本共ピッチが合ったところで次は全ての弦で出せるA音を全部弾いて(モチロン単音です)更に細かくチューニングします。
同じ音だけで合わせるのは初期のチューナー(コルグ)が各音ごとにツマミを操作するので面倒な事を省略していました。その時の癖が残っているだけなので若い世代の方は違和感を覚える作業だと思います。
ここまでをStep①とします。

次にリフで多用する6弦開放とEの7th系のコードを組み合わせた時に重要な開放と実音を合わせますが、基準を開放側にしないと面倒なので開放はそのままで実音の方を合わせます。
これは単純に6弦開放のEと5弦7Fの実音が合うように合わせます。1弦まで順に合わせます。
同じ開放を使って今度は6弦開放のEと4弦2Fの実音を合わせます。同様に5弦開放と3弦2F・・と3弦開放まで進んで終わり。
アコギの場合ローコードの響きに影響が大きいので、このポジションのチューニングはシビアに合わせます。
同時開放無しのオクターブも合わせます。俗に言うオクターブ奏法のポジションで合わせます。
ここまでをStep②とします。

ここ迄でほぼチューニングは合った感じですが、ギターはコードも弾く楽器なのでコードの響きに違和感があると駄目だと思います。私は開放を使わないコードと使うコードの両方を弾いて響きをチェックします。
開放を使わない場合、6弦5F・4弦5F・3弦5Fで確認します(2弦5Fも鳴らす事もあります)。単純なAm7ですが、合ってないギタリストをよく見かけます。これは6弦とほかの弦とのバランスを確認するのに弾く事が多いです。

高音域のコードも確認したいので、オーソドックスなCmaj7を4弦10Fをベースに1弦7Fをトップにして確認します。もうチョット上のポジションを確認する場合は4弦10Fをベースに1弦12FをトップにしてFmaj7を弾きます。
メジャーコードは単純ですが響きを確認し易いので、ついついこれを弾いてしまいます。同じ理由でパワーコードも響きの聞き分けが簡単なので使えると思います。

開放を使うコードの場合は、その時々でバラバラです。何故かマイナーコードを弾いてしまうのも何かの癖なのか・・・と思います。
コードの響きを全てのフレット上で完璧にするのは不可能です。同じEの音でもCmaj7の時のEとEmaj7の時のEとでは理論上は若干違うピッチになると聞きました。突き詰めて考えた場合なんでしょうが、基本的にギターで全てを合わせる事は難しいのでコードに関しては経験とか感・・・で対処するのも必要だと思います。
ここまでをStep③とします。

次に自分のいつも弾き慣れたフレーズ等を弾いて、普段聴こえる音程と違和感や変化がないか確認します。
弾き慣れたフレーズは頭の中に音程差が入っているので、思った以上に効果があります。
そういったフレーズを何種類か持っていると、演奏中でも“この音低いかな”・・・と思ったらチューナーなしでも微調整する事が出来て便利です。
ここまでをStep④とします。

私はStep①~④を組み合わせてチューニングをしますが、順番はランダムです。参考にしていただければと思います。

以上でギターを演奏する上でのチュ-ニングは、ほぼ合うと思いますが、何度も書きますが弦楽器しかもフレットのあるギターで完璧なピッチを望むのは非常に困難です。
フレットを移動出来ないのは勿論の事、温度や湿度の影響を弦が受ければピッチも変るし、ピッキングを強くすると弦も緩むし、ナットやブッリジに弦が干渉して引張られたり、気合が入って強く押さえると音程は上がるし・・・ピッチに関して、いい事はあまりありません。

ただ正確なピッチだけが音楽の全てでは無いと思います。
正確な計算上のピッチで音楽を奏でると無表情な音がするとの事です。
正確と言うより正しいピッチを身に付け演奏するべきだと思います。聴いていて違和感なく心地よい響きや、他の楽器とのピッチの音楽的なズレが無い事の方が大切なはずです。

チューニングに関しては昔のように“フレット音痴”なギターは、まず無いと思います。
ですから日々ギターを練習する過程で最低限の相対音を身に付ける事も充分可能なので、ただフレーズの練習したりコードのポジションを覚えるだけで無く、音程差とか各弦の響きのバランスなんかに注意しながら練習すれば自然と身に付く事だと思います。その為にもきちんとチューニングしたギターで練習する事をお薦めします。

チューニングが悪いとどんなに凄いフレーズを弾いても中々周りは納得してくれないもんです。

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過去のライブ体験・自由が丘ファイブスポット編。

ライブ体験と言えるかどうか分かりませんが、東横線の自由が丘(駅)に“ファイブ・スポット”と言うジャズのライブのお店があって度々通っていました。ライブの無い日はジャズ喫茶の様にジャズが流れるんですが、よくありがちな隣で腕組みをして俯いている方に気を使って小声でヒソヒソ注文して・・・って感じがなくて子供心にも好感のあるお店でした。
通っていた時期は私が17~19才の時期で年代的には70年代の終わりの頃でした。

私は三軒茶屋(三茶で通じる事になったのは何時からか分かりません・・)で育って親類も世田谷近辺に住んでいて、一番若い叔母が結婚して自由が丘に住んでいました。
叔母の所に遊びに行くようになって自由が丘を体験するんですが70年代はまだまだ地味な印象の街で80年代になってオシャレな街の代名詞みたいに扱われる前の自由が丘でしたね。

自由が丘デパート・花キャベツ・ロマンシューズ・亀屋万年堂・風月堂(当時あったとは思いますが定かでは・・)あたりが私も知っているお店でしたが、殆ど行く事はありませんでした。
用があったのってマルイ(つい最近無くなったのを知って驚きました)とその並びの小さいヤマハ位でした。マルイは小さい楽器売り場があったし、ヤマハはレコードを売っていたので行きました。
自由が丘は今でも近くに行く事があると立ち寄るんですが、当時の面影はすっかりなくなって夏の軽井沢に近い雰囲気が1年中続く街に感じます。
80年代の後半にもミュージシャン仲間と深夜のお茶に最適なお店が何軒かありましたが、全て無くなっていたのは仕方の無い事ですね。

さて、ファイブ・スポットなんですが・・・何かの雑誌だと思いますが渡辺香津美さんがデビュー前から出演されていたお店だと書いてあったと思います。
当時の私には新宿(しか無かったんですが)のピット・インは距離的にもお店の雰囲気も敷居の高い印象で、ジャズを知らないロック少年は雰囲気に圧倒されてましたね。
ファイブ・スポットの方は初めてが叔母夫婦と一緒だった事もあったし、お店も広くて明るい印象でそれ程の違和感はありませんでした。

ジャズのライブ(当時は生演奏だと思っていました・・ライブはホールでやる事だと思っていました)を見るのは田園コロシアムのVSOPが多分先だと思いますが、今では正確に思い出せません。
今では信じられない話ですが当時は東京ですら音楽的な情報量が圧倒的に少ない訳で、自分自身で体験するしか無い状況でした。10代の私にとってジャズ演奏は未知の領域の音楽でドラムのシンバル・レガートすら「なんでバシバシ叩かないんだろう?」と思うレベルでした。「なんでギターがいないのか」とかも本気で考えましたね(お恥ずかしい・・・)。

初めてファイブ・スポットで観たバンドはテナーにピアノトリオの編成でしたが、当然演奏されたミュージシャンのお名前はおろか曲名などは知る由もありませんでした。
後に何度か通ってテナー・サックスを吹かれていた方が尾田悟さんと知る事になります。そんな状態でピッコロベースで有名な鈴木勲さんも聴いた後にお名前を知るなんて事にもなりました。ピアノの大御所今田勝さんのお名前は知っていたので大丈夫でした。
内心は渡辺香津美さんを見れるのでは・・・と最後まで期待していました・・・残念ながら実現はしませんでした。

お店のオーナーが著名なジャズ評論家の方で、お店の名前ファイブ・スポットがN・Yにあるジャズ・クラブと同じ名前で、そのお店の名前を使った「ファイヴ・スポット・アフターダーク」なんて曲もある事を知るのは数年先になります。

そんな当時の私でしたが、生のジャズの音・演奏に接した事はいい経験だったと思います。どんなジャンルの音楽もそうだと思いますが、やはりライブ演奏を観る事が音楽を肌で感じるには最良の方法だと思います。たとえ聴く側がその音楽について未熟でも、聴く事に絶対に損はないと思います。

何故ならジャズの臨場感とかロックの音量(特にベース)とか一流ドラマーのタイム感とか演奏者の表情や動き・・・そんな事ってスタジオで完結するレコード・CDからは、中々読み取り難い部分ですよね。
今では音楽の映像が簡単に手に入って何時でも誰でも見る事が出来ますが、ライブでしか体験できない事は昔も今も変らないと信じたいですね。
特に音楽を目指す人にとって、そこが“感性”を最も成長させると思います。

数年してその頃より少しだけ音楽的に成長した私が、お洒落なお店が増え女子大生ブームの主役達で溢れた昼下がりの自由が丘に立寄った際にマルイ(名前も〇I〇Iに変っていましたが)とマルイの間の路地にあるビルの看板に、ファイブ・スポットの名前を探しましたが・・・24と書いてありました。
ファイブ・スポットはかなり洒落た中華料理のお店になっていました。

“トニホー”と読みますよ・・・と気さくで日本語のたどたどしい店員さんが言っていましたが、果たしてそうなのかは謎です。
その時食べた炒飯が凄く美味しくて“トニホー”には数回足を運びました。


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Author:kamiyo.m
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