ギタリストとリズム総集編 Part 2

前回の総集編で打ち込みのリズムとギタリストはどう考えて弾くか、少し触れたつもりなんですが上手く伝わらない感じになってしまいました。
私が大好きで80年台半ばに凄く好きで研究したイギリスのバンド、スクリッティ・ポリッティの音を聴いてもらうと対ドンカマに対してと言うより、正確なリズムをキープしながらどうグルーブさせるか分かりやすいと思います。
スクリッティ・ポリッティはスタジオで音を作り上げるバンド形態で、ライブは全然駄目だったらしいですがアルバム『キューピッド&サイケ』は本当に素晴らしい音作りの完成されたアルバムでした。確かバンドメンバーは3人位のバンドで残ったパートはスタジオ・ミュージシャンを起用していました。
同じ時期のイギリスのスタイル・カウンシルも同じようなバンドでスタイル・カウンシルはほとんど打ち込み無しで素晴らしいいサウンドを出していました。
両バンド以外にも80年台初頭からイギリスの音が日本でも流行り始めて私もずいぶん影響を受けました。

話が横道にそれましたがスクリッティ・ポリッティは爆発的に人気があったと言うより、やはり音作りが凝っていたのでミュージシャンやアレンジャーから評価が高かったバンドです。
今聴いても全然いい感じでグルーブしたサウンドをしています。

音作りですがドラム・鍵盤系は完璧に打ち込みですが、一味違うのはベーシストにウィル・リーを起用して彼が弾いたフレーズをシンセベースに置き換えて演奏している点です。ウィル・リーのベーシストらしいフレーズをシーケンサーに入力して強弱も比較的メリハリ付けてプログラミングしています。
ドラムは強い音と弱い音を上手く使って機械的な無機質感を感じさせるのは、当時流行ったゲートエコーを巧みに使ってビート(音符の長さ)に幅を持たせています。
簡単に言うと、曲中のビートは1小節のそれぞれ1拍を強い・弱い・中強い・弱いのパターンか強い・弱い・中強い・強いの2パターンを上手く使っています。
これだけでも機械の正確なリズムだけではなく、その中にもビートを感じる事が出来ます。

ギターはポール・ジャクソン・Jr. が弾いているんですが、何ともノリの良いバッキングをしています(ギターの音の良さも際立っています)。
最初のコード弾きは若干ツッコミ気味で弾いて白玉で目一杯音符の長さを使って工夫しています。
歌に入ってからの単音のミュート弾きは逆に少し引っ張り気味で弾いています。その後のアルペジオはジャストな感じで弾いています。

ポール・ジャクソンJr.がどこまで意識していたのかは分かりませんが、正確なリズムのドンカマに対して色々なアプローチでリズムを弾き分けているいい例でしょう。


対してバンドの中ではポール・ジャクソンJr.はドラム・ベースを引っ張って行く勢いの素晴らしいグルーブでリードしていきます。自分の中にイメージしているリズムが出来上がっているのか、元々がリズムが良いのか考えてしまいますが、本人のインタビュー等では結構考えて弾いていると言っていたので、まず自分の中でイメージしたリズムが出来ているんだと思います。


2曲目の演奏は結構ラフなセッションぽいので、ギターがガンガン他を引っ張っているのが分かります。ギタリストとリズムについて考えても損のない2曲だと思います。

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訃報 青山純さん

青山純さん・・・凄く好きなドラマーでした。
達郎バンドの前にスクエアにいた時に間近で見て「なんて重いビートなんだろう・・・」
衝撃的でした。
私は達郎をほとんどリアルタイムで聞いて来ました。達郎サウンドは青山さんが加入して本当に洗練されたサウンドを出していました。本当の意味でシンガーをバックで支え続けたドラマーでした。
ご冥福をお祈り致します。
伊藤広規さんとの素晴らしいリズムが永遠に聴けない事が悔やまれます。

プロセスと結果と音楽と

体調が悪い中、何故か書きたい衝動に駆られて今回は中年オヤジの愚痴っぽい記事を書こうかと思います。

私達世代は物心付いてから、音楽に様々なジャンルが出現して来た世代でフォークがニューミュージックに変化したり、ハードロックからヘビーメタルやスラシュメタルが派生したり、ロックとジャズが融合してクロスオーバーからフュージョンへ変化したり、パンクロックやテクノポップの出現や、ラップ・ミュージックが黒人音楽のメインストリームとして定着したり、果ては前衛テクノとか環境音楽まで出現して、60年代から90年代の短い期間の中で色々な体験を強いられてきました。

どのジャンルの音楽にも格好良さはあるし、それがジャンルとして認知される過程にはミュージシャンの探究心や苦悩があったはずです。
格好の良い音楽をリスナーが共感したからこそ、その結果格好良い音楽として認識される訳でそこに至るプロセスも充分に裏付けがあったり、プロセスも含め格好良いからこそだと思います。

私はブログに書いて頂いたコメントは、過去に一度だけしか削除したことがありませんでした。半年ほど前でした。おそらく20才前後の若者のその内容は「格好良けりゃいいじゃん・・・小難しい話はやめてよ」的な何とも言えない内容のコメントで個人的に返信する事すらバカバカしい感じがして削除させて貰いました。
”格好良けりゃ・・・”誰があなたの音楽を格好良いと判断しているのか?自分とその周辺の友人ぐらいが褒め称えるぐらいでは格好良いのではなく、自己満足と傷の舐め合いくらいにしか考えられません。

音楽に格好良さは大きなウエイトを持つと思います。ギタリストなら少しでも格好の良いソロを弾きたいし、バッキングのリズムだって格好良くグルーブさせたいはずです。
私達世代はそんな中で音楽と向き合ってきたし、新しく切り開かれて出現した”音”に耳を傾けて何処が格好の良い所か、音楽としてどうなのか・・・常に感じてやって来ました。
少なくとも私個人はそうして音楽を聴いて感じてプレイして来ました。

今の若い世代のミュージシャンも是非そうであって欲しいと思いますが、どうも最近はそうでもないんじゃないかと感じてしています。
音楽を始める時に既に全てのジャンルが出揃っていて、選択肢は数限りなくあるけれど逆にそれが「人のやっていない事」の方が格好の良いと思う考えを持つ若者が増えた気がします。
その代表がエアギターであり、果てはエアバンドであったり・・・。
それらを支持する層があって人気がある事が私には信じ難いです。いったいどんなプロセスを経てそこに辿り着いたのか?そのプロセスに格好の良い事があったのか?結果は音楽的に何か格好良い
のか?

売れたもん勝ち的な音楽は80年代初めには既に存在していましたが、それらは本当に格好良かったしその音楽の持つバックグラウンドにも充分に格好良さを感じられました。
一億枚以上のセールスを記録した世界で一番売れたマイケル・ジャクソンのアルバムでさえ本当に格好良かったです。
日本も10万枚売れれば大ヒットと言われていた時代が、その時期を境にミリオンヒットやダブルミリオンなんて売れ方して、売れたもん勝ちの風調は存在しますが全部が全部とは言いませんが音楽として売れるだけの事はあると思わせてくれます。

私は最後まで好きになれなかったバンド”アート・オブ・ノイズ”を坂本龍一氏は絶賛していました。私には理解出来ない音でしたが、氏の解説を聞いたり読んだりすると納得出来る部分も多々ありました。坂本龍一さんレベルの音楽的バックグラウンドがあればこそ理解できる音なんだと考えました。
私も環境音楽のメジャーバンド”ペンギン・カフェ・オーケストラ”なんかは格好良いとして聞いていました。

今の若者の言う格好の良い音楽には節度が感じられない事が一番です。結果節操のない音楽の垂れ流しにしか聞こえません。人がやっていないから面白いは、イコール格好良いとは違うと思います。結果オーライでは決していい音楽は生まれません。そこに至るプロセスは大切だと思います。
我々が体験してきた音楽には節度はきちっとあったと思います。だからこそ共感できたし聴き続けているんでしょう。

最近の東京の若者は節度を持たなくなった集団にしか見えませんが、それを音楽の世界には持ち込まないで欲しいと願うばかりです。
音楽的な節度だけは失わないで新しい音を生み出して欲しいと思います。

ギタリストとリズム総集編

休符宣言してまだ日が経っていませんが、休符の記事に頂いたコメントにリズムの検索でこのブログを読んで頂いたとあって、これだけは書いておこうと思い総集編としてギタリストがリズムにどう絡むか書きます。少々独断と偏見が入り混じった記事になると思いますが、私の経験で感じたリズムに対しての考えを書きます。

リズムはよく言う”走る”とか”もたる”の事ではありません。
「そこのリズム走るよ・・・」云々なんてのは、正直なところお互い様って感じです。それを言う方も初級者レベルです。
リズムの事をグルーブと言う場合もありますが、走ったってグルーブ感のある演奏は素晴らしいの一言です。
リズムの強烈な”タワー・オブ・パワー”でさえライブ盤では個々に走ったりバンド全体で走ったりしています。しかし演奏は素晴らしいの一語に尽きます。

ギタリストは常にバンドの中ではドラムとベースの上に乗っかった形になってしまいがちですが、ギターがリズムを引っ張って行くパターンは、実はプロの現場では良くある話です。
「そこんとこギターに合わせるよ・・・」と言っいた感じで曲調によってはギターがリズムを作らなければなりません。

天性のリズム感のあるミュージシャンが居るのは本当にあります。・・・しかし極々まれです。
私なんぞは二線級のリズム感しかありません。天性のそれは持ち合わせていません。なのでどうすればリズムがグルーブするか・・・考えるしかありませんでした。
レコードを聴いたりメトロノームでジャストタイムを身に付ける何てのは、ほとんど役に立ちませんでした。なので研究しました。

まず先輩たちから言われた”一拍の裏”を考えました。
4分音符の裏は8符音符ですが、それを決めるのはなにか・・・?まず音の出だしを考えてしまいますが、私が考えたのは”音符のキリどころ”でした。
コードの一拍刻みを4小節続けるとして(簡単に弾けると思いがちですが・・・)アマチュアの多くのギタリストは音の頭はジャストに来ても音の”キリどころ”がバラつきます。結果グルーブしません。
音符はどこで音を切るかで全然聞こえ方が変わります。同じフレーズを弾いていて何が違うかと言うと、音の”キリどころ”なんです。
目一杯一拍の長さを使うのか、それとも少し手前で切るのかでグルーブ感は本当に変わります。
バンドではその”音のキリどころ”を揃えるのが一番大切です。実際の話、頭は簡単に揃えられますが、音符の長さをバンドで揃えるのは簡単には出来ません。

もう一つ大切なのが以外にも音量と言うか音の大きさです。
80年代にテクノ系からドラムマシーンが大流行しましたが、私は当初凄く機械的なリズムに違和感がありました。しかし、結果は違いました・・・・。

機械の出す正確なリズムにはグルーブ感を感じ難いかもしれませんが、ギターの音のダイナミクス
でと言うか強弱でグルーブは出せます。
例えばハイハットを同じ音量で8つ続けるとなんて事ないエイトビートですが、3つ目と7つ目に音量を上げるとグルーブして来ます。また奇数回に音量を上げればタテノリの立派なビートとして聴こえます。
あたり前ですが音量だけでもリズム感を感じせせられる、良い例だと思います。

誰もが知っているジェイ・グレイドンの名曲です。ほとんどが打ち込みで録音されていますが、グルーブしています。


次はカールトンの完璧にリズムトラックは打ち込みのこの曲です。


考えさせられます。リズムマシーンでグルーブ出来ない事はなくてギタリストの音符の強弱やキリどころでこれだけのグルーブを出せる事を。
前者は音符を目一杯の長さで使っています。・・・が逆に強弱は一定感を持たせています。
後者は音符の長さはフレーズによって違います・・・が強弱がハンパではないです。

これが私のい言いたいギタリストとリズムの全てが凝縮された演奏です。

超難関オーディション

私が一番大変だと思うのが人気バンドの誰か一人が抜けた時に、その穴を埋める時のオーデションほど競争倍率の高い難関となると思います。

過去にもビッグネーム・バンドはメンバーが抜けたり死亡した時点で、解散をするパターンが多かったと思います。
パープルくらいでしょうかね、メンバーチェンジを繰り返すのは。レインボウなんかもそんな流れでしたね。

私の好きなバンドの一つに”ドリーム・シアター”があるんですが、結成時からいたドラマーが何かのいざこざで、辞めてしまいました。
普通なら知り合い関係のドラマーに声を掛けるんでしょうが、ドリーム・シアターは比較的、真面目と言うかストイックに音楽に向き合う感じのバンドなので、オーデションを公開形式にしたんですね。
異例中の異例なオーデションの一部始終がYouTubeにアップされていますのでまずはご覧ください。









”ドリーム・シアター”クラスのバンドなら、そこらでちょっと良いくらいでは務まらないでしょう。しかしこのオーデションに参加したドラマーの経歴から何から詳しく聞いてみると、かなりのレベルのドラマーが参加していますね。
私なら全員に合格を出しますね。。。

海外のミュージシャンの本気のオーデション映像は中々見れないと思います。
このレベルのドラマーが日本にいるでしょうか??
私には言い切れません。