ギタリストと読譜力・初見編 Ⅳ

今回は総合的な初見に関して書こうかなと思います。
現場でギタリストに渡される譜面には色々なパターンがあります。基本はメロディーがあればメロが書かれています(メロの部分にはコードネームがないのが殆どです)。

後はバッキング・パートになりますがコードネームは当然書かれています。バッキングに関しては指定されたリズムの刻みが書かれている事の方が多いですね。
レコーディングの場合はコードネームだけで、何も書かれていない事の方が多いですね・・・特に歌中はそんな事が多いです。
アンサンブルを聴きながら自分なりの刻みをする事になります。その場合はWith Feeling なんて書かれている事があります。
早い話がバッキングのパターンは自分で考えろと云う事ですね。但しブレイクや他と同じリズムを弾く時は指定されています。

私は劇伴やCMのレコーディングでは作曲家・編曲家で有名だった、神津善行さんの仕事を数多くさせて頂きましたがギターのバッキングは、ほぼコードネームしか書かれていませんでした。
一度16ビート物でレイ・パーカー・ジュニアみたいな感じのカッティングをしたら、どうやって弾いているのか聞かれました。あまりギターには詳しくなかった方だったのかも知れませんね。その曲はテイク2でOKが出ました。
その時のCMは車のCMでしたが放送を聴いたら、やたらとギターのカッティングが大きめな音で入っていて嬉しかった覚えがあります。

ちなみに当時のCM録音は15秒バージョンとか30秒バージョンとかがあって、同じ曲を2回アレンジで長さを変えて録音していました。モニターがあってCMの画像も同時に流れている事も多々ありました。本格的なレコーディングとは違って全部の楽器は同時録音でしたね。一発撮りなので後からのダビングは無いのでプレッシャーは大きかったです。ただ曲が短いので譜面に関しては1ページも埋まらないので譜面を読むのは楽でした。CMの録音は2時間が定番でしたね・・・早く終る事も多かったですが、2時間分のギャラはちゃんと貰っていました。
その後は時代流れと共にCMからヒット曲が出る様になるので、歌手の方のオリジナル曲が流れる様になってCM録音は減って行く傾向になりました。

それでは譜面を渡されたらどうするのか?戸惑いますよね・・・私も最初はそうでしたから。
まずは何は無くてもメロディーの確認からします・・・殆どがメロディーはソロ部分なので一人で弾く訳ですから、誰も助けてはくれません。なのでメロディー部分を先に確認します。何故ならバッキング・パートは最悪弾かなくても曲は進んで行きますから。

下手にバッキングのコードを間違えたり、リズムがズレるくらいなら弾かない方が他のミュージシャンには迷惑がかかりません。
なのでメロディー部分がまずは最優先です。私はそうして来ましたし、慣れるまではその方が良いと思います。

曲の中でソロパートを間違えたり、弾かないのが一番最悪なのです。曲が止まりますし、最悪怒鳴られます。
なので譜面を見たら、メロディーの確認から入りましょう・・・バッキングは後回しで良いのです。

私は高校3年でプロデビューしましたが、いきなり全部初見で弾けた訳ではありません。数ヶ月は苦労の連続でした。
すぐに慣れた方だとは思いますが、最初の苦労はハンパでは無かったですよ。
そんな私がやっって来た方法が、今回の記事に書いた初見での対応でした。

慣れてしまえばですが・・・譜面を渡されて1分も見れば対応出来る様にはなります。
現場ではリトナーの”キャプテン・フィンガーズ”みたいな譜面はまず出て来ませんから・・・落ち着いて読めば良いと思います。

一度だけ”スペイン”並のユニゾンのあるインストの譜面を渡されて初見で弾かされましたが、既に慣れていたので何とか弾けました。
そんな事はまれな事なので、歌伴に関しては慣れてさえすれば必ず初見で弾けます。

慣れるイコール・・・数をこなす事です。何度も間違えるのは誰しも同じです。怒られもします。そんな事を経験して初見で弾けるようになるのだと思います。
譜面を怖がるのが一番良くありません・・・自信を持って譜面を読むのが近道だと思いますよ。

現役時代に一つのエピソードがあります。ちょっと怖い話です。私が20才位の時です。
あるリハーサルの時でした。ベーシストが経験が浅くて、リズムは悪い・初見はミスるの連続でした・・・かなり上手いドラマーが怒ってベースアンプの電源を切ってしまいました。そんな事も私は現場で見てきました。ベーシストは途方に暮れていましたが、音は出なくても頑張って弾いていました・・・それがプロなのです。その後すぐに残念な事ですが、ベーシストは差し替えられました。

現場では弾けて当たり前・譜面は読めて当たり前・リズムは良くて当たり前だと思われます・・・当然ギターの音も良くて当たり前だと思われます。
だからこそお金を貰っているのですから。プロとしてギャラが発生するのですから、頼む方はそれが当然だと思って仕事を与えてくれる訳です。
一発のミスで次からの仕事が来なくなる世界です・・・一流ミュージシャンはやはりその辺が違いますね。売れているミュージシャンはやはりミスもまず無いし、出す音も違っていました。厳しい世界ですがプロの現場って、そんな感じでしたね。

譜面の話から横道にそれましたが・・・初見に自信が持てる様になると気持ち的に余裕が生まれるので、出て来る音も必ず良い方向へ行くと思います。
私が見てきた一流と呼ばれるミュージシャンには常に余裕が感じられましたね。そのレベルには最後まで私は追いつく事が出来なかったです。
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ギタリストと読譜力・初見編Ⅲ

では又読譜力メロディー編を書きたいと思います。
私はどの程度の初見力があるか・・・自分でも分からないですがパーカーの”Donna Lee”を初見で読めと言われたら無理です。
スタンダード本に載っている簡単なメロディーなら殆ど初見で行けると思います。勿論メロディーだけならの話ですが、コード弾きも簡単なのなら行けます。メロディーを読んでその音をトップに持って来るくらいならコードでも行けます。

初見の例題として今回はスタンダードの”枯葉”をチョイスしてみました。私の持っている通称”黒本”を見ながら進めて行こうかと思います。
まず最初キーの確認です。♭が2つ付いていますね。キーはB♭かGmです。この曲はGmの曲ですがコード進行を見ると頭の4小節は明らかにB♭の感じですね・・・スタンダードにはよくある進行です。今回はコードの事よりメロディーの読み方に付いて説明します。
とにかく意識しなくてはならないのはBとEは♭が付くことを頭に入れて下さい。私は移動ドでは譜面は読めません。常に固定ドで読んでいます。ですから、どの音にシャープが付いているかフラットが付いているかは確認しています。
移動ドで読むのはクラシックの勉強をしていないと、凄く難しいと思います。

ざっと譜面を見ると8分音符が一つも出てきません。一番短い譜割りは4分音符です。とても読みやすいと思います。
頭の3音がピックアップ・フレーズになりますね。そこからメロディーに続く訳です。
最初にG・A・B♭の3音がピックアップ・フレーズです。全部4分音符なので簡単だと思いますが・・・この時のポジショニングで先の音の弾き易さが違ってしまいます。

最初のGは4弦スタートで良いと思います。そこからは御自身の自由な弦で弾けば良いとは思いますが・・・通常は次のA・B♭も4弦のままだと弾きやすいと思います。
フレーズ的にB♭は小指で押さえると思います・・・なので次のE♭の音は当然薬指が一番運指し易いと思います。
ここ迄の4音は初見の苦手な方でも少し慣れれば簡単に弾けるはずです。

この先が初見で弾く時のコツみたいなモノです。
4つ目の音E♭は5拍ですよね。その間音を切らない間に次の3音を読むのです。E♭は5拍と書きましたが、2小節目の頭で切っても全然構いません。その方がリズムも取りやすいし、ダラ~ンとした演奏にならないと思います。
とにかくE♭音を1小節伸ばしている時には、次の3音とその次の4音目を確認します。その調子で5小節目迄弾きます。問題は6小節目の臨時記号にあります・・・Eの音が♭ではなくナチュラルになっています・・・そして次がFに#が付いています。
その二つが5小節目弾いている時に読めれば、初見は簡単に行けるはずです。
先を読むいい例が”枯葉”の中にはあります。

①「 ②「 まで進めれば後は簡単です。サビには臨時記号は一つだけです。
ゆっくりで良いと思います。とにかくイン・テンポを意識して今が何拍目なのかを意識してテーマが弾ければ、初見に大きく近づくはずです。

前回も書きましたが、1小節内は2拍単位で読んだりするとテンポキープがしやすいと思います。

今回は”枯葉”でしたが”All of me”なんかも練習になると思います。キーはCですし臨時記号も少し出てきます。そして3・4拍目に2拍3連のフレーズが何度も出てきます。練習してみて下さい。

とにかくテンポはゆっくりで構いません・・・その代わりイン・テンポだけは意識して下さい。
イン・テンポで弾けないのは初見ではないのです。

モードの考え方

マイルスやハンコックなどが70年代の初めか60年代の後期に、ビバップに代表されるコードチェンジにとらわれずにワンコードでのアドリブが出現しました。
属に云うモードです。ネーミングは何処から来たのかは分かりませんが・・・。

モードでのコード進行は基本的にはありません。当然ワンコードですから一つのコードで延々とソロを展開するわけです。
例えばDm7でドリアン・スケールを使ってソロを取るわけですが、今やそれだけでは何の面白味のないソロになってしまいます。
私が先輩たちから教わった基本的な事は、Dm7へのツーファイブを使うとより幅の広がったソロが取れるととの事でした・・・。
Em7♭5-A7♭9を使うわけです。確かに使える方法だとは思いますし、理論上は問題のない事ですね。

しかしその後にトーナルセンターと云う考え方が出現しました。
トーナルセンターに関しては様々な考え方があって、ソリストの考え方も人それぞれで一概にこれ!って事がありません。

トーナルセンターの基本的な考え方はDm7のルート音Dに対して何度か上のコードを積み重ねると云う考え方です。
恥ずかしながら私も良く理解できない部分があります・・・ただアウトスケールとは根本的に違った考え方なので複雑な考え方も存在しています。

昔、ギターマガジンにセッションギタリストの松下誠さんが独自の理論を連載していたのが凄く為になった覚えがありますが、難しい考え方なので、当時の私には完全に理解が出来ませんでした。
海外ではスティーブ・カーンなんかもトーナルセンターを上手く使っているギタリストとして有名ですね。

Dm7に積み重ねるコードとして代表的なのは、やはり2度上のEm7でしょうね・・・テンション・ノートが数多く含まれていますから。
私もまだトーナルセンターについては勉強不足です。記事にするのはためらいましたが、今後の自分の勉強課題として敢えて記事にしました。

モードは奥が深いですし、理論的には数々の考え方があります。そんなモードに関しては私も勉強しなくてはなりません。いずれ自分の勉強した事を記事にしたいと思います。雑文で申し訳ありません。

Ⅱm7-Ⅴ7 バリエーション。番外編

Ⅱm7-Ⅴ7 の進行で70年代初め頃に変化し始めた進行の代表格があります。
Key in C の時で例えると Dm7 on G - G7 又は Dm7-Dm7 on G の変化形です。このⅡm7-Ⅴ7 は特にニューミュージック系では大流行でしたね。何時からなのか私にはハッキリとは分かりませんが、70年代半ばにはこの進行がほとんどと言っていいくらいニューミュージックでは大流行でした。

この進行は恐らくですが、私の考えではボサ・ノヴァ音楽から生まれたのでは・・・と考えています。あくまでも私の考えなので、どなたか知っている方がいたら是非教えて欲しいです。

何が基準でこの変化形が生まれたのかは分かりません。解釈をすれば切りがありません。Dm7をG分のFに置き換えた様な感じもしますし、Dm7 11Thのテンション・ノートをルートに持って来たとも思うし・・・分数コードとは違う意味合いだと思いますが、少し分からない所があります。なので私は単にベース指定のコードとしてずっと解釈していました。
確かにコードのテンションの9Thの音をベース指定にするコードは数多くあるので、その流れなのかも知れません。

基本的に分数コードはコード・トーンの中の3度とか5度をルート音にするのが基本的なのです。複雑な分数コードの場合はテンションノートが多すぎて分数化することもあります。
この進行はやはり分数コードではなく単純にルート音の指定と解釈するのが分かりやすいと思います。確かにこの進行でギターがDをルートに持って来るとかなりの違和感のあるサウンドになってしまいます。

まぁとにかく流行の進行でしたので、嫌というほど弾いてきましたね。解決先がⅠ△9 なんかに解決すると本当に、これぞシティサウンドのコード進行でしたね。今の時代ではあまりこの進行は使わないのでしょうかね。時代の流れの中で流行したⅡm7-Ⅴ7 のバリエーションの一つだったと思います。

Ⅱm7-Ⅴ7 バリエーション。

今回はマイナーコードへ解決する時のⅡm7-Ⅴ7について書く事にします。
基本的にマイナーコードへ解決するときのⅡm7-Ⅴ7はメジャーコードの解決の時とは違ってきます。
Ⅱm7-Ⅴ7はⅡm7♭5-Ⅴ7♭9 と変形するのが定番の進行です。ギタリストの場合、ジャズでは色々なパターンのヴォイシングが存在していて、色々なパターンがありますが・・・問題はポップス系やフュージョン系でのカッティングの時にはジャズ系のヴォイシングが意外と合わない事が多々あるのです。

カッティングの際には基本低音弦は使わない事が多いので、ジャズ系のヴォイシングが合わなくなるのです。
私の経験ではやはりジャズ系のヴォイシングは使わずに、別のヴォイシングを研究しました。これが意外とポップス系ではマッチするのです。Ⅱm7♭5-Ⅴ7♭9の場合、半音進行する音が存在するのです。その音をトップに持って来ると違和感のないコード感になります。

Key in Cm の場合で考えてみると Ⅱm7♭5-Ⅴ7♭9 は Dm7♭5-G7♭9 となりますが、この時の半音進行部分はDm7♭5 のCと G7♭9 のB なのです。C から B への半音進行をトップに持って来るとコード感を壊す事なく自然にDm7♭5-G7♭9 から Cm へ解決するヴォイシングが成立しますので、試して見て下さい。

私は1弦か2弦にトップを持ってきて弾いていました・・・特に問題はありませんでした。極端に♭5 や♭9 を強調すると弾きにくいポジショニングになるのと、カッティング向きではないポジショニングになってしまいます。
私の経験の中ではレコーディングでもライブでも問題はありませんでしたので、比較的良いのかも知れませんね。是非試して見て下さい。

今回は”トップノートの音の流れを意識する”でした。

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kamiyo.m

Author:kamiyo.m
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