誰もズレないリズム

以前にも紹介した石川ひとみさんの曲の別のライブ音源がアップされたのでリズムについて解説したいと思います。

前回こんな感じの記事を書きました・・・。リズムを外さないバンドアンサンブルとはどんな感じかを書いたものです。
それを踏まえてこの音源を聴いて下さい。



イントロのベースのループ・フレーズは打ち込みです。何度か出て来るこのベースは打ち込みなのでドラムはヘッドホンでクリックを聞きながら叩いています。それ以外は生の演奏です。
ドラムはクリックを聞いて叩いていますが、素晴らしくグルーブしていますね。この後売れっ子になり、今も現役バリバリで活躍しているのも分かるドラムワークですね。

私が当時24才で他のメンバーは26才近辺でした。1984年当時は一通り打ち込みのレコーディングも主流になって、その流れがライブにも使われる様になります。
しかしライブですから、臨場感も必要です。なのでこの曲は一回聴いたくらいでは打ち込みされたパートは簡単には分からないと思います。アレンジャーの腕の見せ所ですね・・・。アレンジは山田直毅さんでした。この曲ではキーボードを弾いているのでギターは私一人です。

まずはクリックを聞いて叩くドラムのグルーブが凄まじい事。そしてその流れを誰一人崩さないリズムアンサンブルです。
聴くと分かりますが・・・どの楽器どのパートも一切リズムのもたつきやズレはなく、バンド全体が同じグルーブで演奏しています。
簡単な様で実はかなり大変な事ですね。特にライブですから打ち込まれたリズムとの戦いもあります。
打ち込み無しならバンドの個々のメンバーのノリでアンサンブルを決められますが、打ち込まれたリズムのある中でノリを決めるのは大変です。

結果としてアレンジが狙ったサウンドになっています・・・バンドらしさのグルーブがキッチリと出ています。
キーボードのパートどれを取ってもリズムのズレは全くありませんね。ベースは打ち込まれたリズムとドラムとのバランスに上手くシンクロしています。肝心のギターですが相当あらを探して聴きましたが、ズレは聴き取れませんでした。
自分でもこんなにリズムが良かったのかな?・・・と首をかしげる位です。

ギターの音ですがカッティングも高域が少し歪んでいます。使ったアンプはJC120を2台ですがライブなので相当なヴォリュームで弾いていたのだと思います。弾いていた私自身の狙いはクリーンな音でしたから・・・しかしそれもまたライブならではの出来事ですね。レコーディングならここまでのヴォリュームは出しませんし、当時はライン取りの時代でしたからね。
とにかくこの曲でのギターは切れのあるリズムが狙いでした。どんな感じかというとイアン・ペイスのドラムみたいな感じです。説明が難しいですが・・・重くならない8ビートです。

余談ですが私はやはりフュージョン世代なので16モノの方が本当は全然得意です。自分でも16の方が好きですね・・・。今でもギターを手に持つと自然と16のカッティングをしてしまいます(笑)。あと・・・これだけのノリのある曲でもブレイクからコード進行に至るまで譜面がないと全く弾けませんでしたね。ライブハウスで弾くギラリストとしてはお粗末な話です。
正直な話・・・Mistyのコード進行も覚えていません。何回弾いたか分からない曲でも未だに、この始末ですね。譜面は読めるけど覚えられない典型的なダメなギタリストです。

いずれにしても私レベルでもここまでのアンサンブルでギターが弾けた訳です。リズムは練習次第で良くなります。この時が24才です。プロで鍛えられて6年くらいの経験を積んでいましたが、このバンドでは練習は相当しました。
やはりシビアなリハーサルでしたね。アレンジャーがメンバーの中にいてのバンドなので。またそのアレンジャーが、リズム感抜群の人でしたから。それに加えてドラマーが上手いのでそのレベルで弾かなくてはなりません。代わりのギタリストは他にも沢山いる時代でしたから。なのでリズム的な事では本当に大変でした。

個々の楽器が同じ方向でリズム・キープをして演奏するとアンサンブルは抜群に良くなる良い例だと思います。
リズムはズレない・・・当たり前の事です。しかしバンド単位で考えていくと他人の出す音に影響されたり、その逆もあります。
ライブは一発勝負です。だからと云ってノリだけで演奏は出来ません。歌をいかに引き立てるのか・・・そこも肝心な部分なのです。
私は楽器だけの演奏ではあまりギターを弾いた経験は少ないです。やはり歌ありきの演奏がほとんどでした。

このバンドの出すグルーブに乗って歌うのはヴォーカリストですから。今回の音源は歌の良さも際立っていますから、是非聴いてみて下さい。
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一番簡単なコルトレーンチェンジ

久しぶりの音楽理論を書きます。私の持っている少ない知識の中から書くので、違和感を感じる方もいると思いますが・・・。
まずは分かり易いコルトレーンチェンジについて書こうかと思います。

ビバップの最終形はコード進行の究極の細分化でした。
トニックであるFへ解決するためにその二小節前は一拍ずつこんな感じです・・・。
/Am7・D♯7・D7・G♯7/Gm7・C♯7・C7・F♯7/F /へと解決する進行が当たり前の様に使われていました。
コードの細分化にはパターンが出来上がってしまい、それ以上の変化が期待できない所まで来てしまいました。アドリブを取るプレイヤーはコード進行がパターン化しているので、代理コードを使ったりして対応していました。

コルトレーンはトニックへ戻る画期的な進行を考えだしました・・・世間的に言うコルトレーンチェンジは特別な代理コードの様に思われがちです。それは恐らく最初にコルトレーンの解釈したトニックコードへ戻るのとは少し違って、色々なミュージシャンが理論立てしたのかも知れませんね。

一番分かり易いトニックへの帰る進行を説明したいと思います。勿論コルトレーンチェンジでの話です。
Cが帰るべきトニックだと考えて下さい・・・コルトレーンはどうすればCへ戻るのか考えている時に3度進行でCへ戻るパーターンを見つけます。これはパット・マルティーノの12度のダイアグラムにも似ています。
/C /E /A♭ /C /の進行です。ギターで弾くと分かりますが、転調の連続にしか聴こえませんね。

ところがこの進行にドミナントモーショーンを加えると流れが全然変わって聴こえますから不思議ですね・・・この進行です。
/C /F♯m7 B7 /E /B♭m7 E♭7/A♭ /Dm7 G7/C /C /
この進行がコルトレーンチェンジの一番簡単な例だと思います。

コルトレーンチェンジはこれが基本形だと私は考えます。賛否は別れるとは思いますが、恐らくコルトレーン自身はこの辺の変化をスタートにして究極のコルトレーンチェンジを展開したのだと思います。

いち押しのエフェクト

私が9月に最近購入した一押しのエフェクトを紹介します。
中国製の安価なエフェクトです・・・何でもRCブースターのクローンとの事です。このブランドは中国製に良くありがちな、クローン製品ばかりをラインナップしています。

値段も冗談かと思うくらいの価格です(3000円以下です)。私は何だか面白半分で購入しました。驚いたのはその価格のエフェクトなのに素晴らしいの一言です。
まずトルーバイパスなのでエフェクトをOFFにしても音痩せは全くありません。原音を確実に確保できます。ノイズも全く無いのには驚かされましたね・・・昔の時代とは違いますね。

問題はサウンドですが・・・私はブスーターとしての使用はしていません。なのでブースター的な感想は書けません・・・了解下さい。
私の使用方法はトランジスター系のアンプや比較的安価なアンプを使用する時に、凄く重宝しています。
ちなみにですが私のブギーに使ってもこのエフェクトは効果があります。

私は軽く掛ける使い方をしていますが、ギターの音の輪郭・立ち上がり・太さ・そして何より高音域の音が全く痩せません。
私のフジゲンのレスポールはコイルタップ仕様ですが、シングルにした時の音はかなりいいと思います。
ハムバッキングピックアップをコイルタップでシングルにすると、使い物にならない音が殆どですが、このエフェクトを掛けると充分に使える音になります。驚きましたね。

意外だったのは調整次第ですが、各弦の音の分離も良くなりますね。ボリュームを絞るとその効果は一層際立ちます。
ジャズを弾く時にソロの時にONにするとレスポールがフルアコに近いサウンドを出すのには驚きました。
セッティングは正直難しいです。私も色々と試しましたが、使うアンプや環境で変えています。
ライン録音はしない私ですが(録音環境の機材を一切持っていないので)、その時にも効果は期待できると思います。

私はAmazonで購入しました。カスタマー・レビューも投稿してしまいました。ハンドルネームはcs0336です。
https://www.amazon.co.jp/gp/product/B01N5JTOVK/ref=oh_aui_detailpage_o05_s00?ie=UTF8&psc=1

値段が値段なので購入しても後悔はしない範囲だと思います。ただこのメーカーの他のエフェクトには全く興味がありませんね。
次に購入予定しているのはリバーブですが・・・TCのリバーブ以外は考えていません。空間系にはこだわりがあるので・・・(笑)。


Screenshot-2017-11-7 Amazon Donner Boost Killer ギター ブースター エフェクター

カールトンのMisty

前回の記事のフレディー・ハバードのMsity繋がりで、カールトンの弾くMistyを紹介したいと思います。
この動画のDVDは持っています。近年亡くなった名手タル・ファーロウの何かの記念企画で、カールトン・ジョンスコ・アーバンクロンビー・コリエルのギタリストが参加しています。
この曲は完コピしました。当時Mistyをこのテンポで弾いたカールトンは流石としか言えません。テーマもカールトン節が限りなく出ていますね。バレイ・アーツのストラトの歪ませた音のチョイスも凄くよいですね。
サビはタル・ファーロウがコード弾きしますが、その後のカールトンのテーマのフェイクは素晴らしいです。特にメロディーの締めのフレーズはカールトンならではのフレーズですね。

10年ほど前ですが・・・何故かオーデションで受かって(テープ審査)ディズニー・シーの音楽祭で,最終日のトリで弾きました。5曲演奏しましたがオープニングでこの曲をチョイスしました。他のメンバーはジャズ・ミュージシャンでしたのでMistyをこのアレンジでやるのに違和感を感じていたと後日談で聞きました。私は何の違和感も持たずにいました・・・(笑)。

カールトンのギターは当然として、ビリー・ハートの円熟のシンバル・レガートとジョン・パティトゥッチの極端な位の思いっ切りの前乗りのランニング・ベースのコンビネーションは凄まじいです。ベースを聴くだけでも鳥肌モンですね。
Mistyは本当に多くのミュージシャンの演奏がありますが、この演奏も私の中では上位にランクインしています。

全盛期のタル・ファーロウのギターはコピーすら困難な凄いギタリストでしたが・・・この時はさすがに年齢的に峠を越えてしまったのが残念です。
しかし参加しているミュージシャンはタル・ファーロウに尊敬と敬意を払っています。音楽そしてミュージシャン・シップとはそこに大切な何かがあるのだと思います。
当時カールトンの弾く4ビートはあまりなかったので、凄く新鮮な感じがしたのを覚えています。

音楽的な美意識

今回は音楽の持つ美しさ・・・美意識について私なりの感じ方を書く事にします。

音楽は色々な側面があって・・・テクニックを全面に出す曲もあれば、乗れればOKみたいな曲もあります。当然ですが歌詞を聴かせるヴォーカル曲もあったり、本当に一言では語り尽くせないのが音楽だと思います。
当然ですが、どれも素晴らしい曲は星の数ほどあります。音楽・楽曲の数だけそれぞれが素晴らしさは在るはずなのです。

クラシックだってそうですね。バッハの様式美は分かりやすい例だし、モーツァルトの曲の躍動感のある明るさはやはり美しい音楽です。

私は昔から音楽の持つ美意識に惹かれるタイプなのです。ロックから本格的に音楽を聴き始めた頃は、美意識なんて全く理解できませんでした。音楽は美しいものです。それは年齢を重ねるにしたがって感じる様になりました。音楽を聴く耳が大人になったのだと思います。
現役時代は好きとか嫌いでギターを弾く事はなくて、仕事でしたから弾かなくてはならない曲は全力で弾いてきました・・・何の疑問も持ってはいなかったです。

ジャズを聴き始めてから少しずつですが、音楽の美意識が何となく分かる様になりました。当然ですが現役を引退してから、その感覚は加速し始めました。
ジャズのバラードには名曲と呼ばれる美しい曲が沢山あります。その中でも私は"Misty"のメロディーには美しさを感じていました。自分でもかなりの練習をした曲ですね。自分なりにコード進行を変化させてみたり、メロディーの歌い方も色々なミュージシャンの演奏からヒントを得て、自分の練習に取り入れてきました。何度弾いても飽きない曲ですね・・・好きな曲なんだと思います。

その"Misty"の中で私が一番音楽的に美意識を感じるのが、フレディー・ハバードのこの演奏です。
フレディー・ハバードと云えばハード・バッパーのイメージがありますが、この曲で彼の吹くトランペットの美しさは美意識の面で凄いと思います。
イントロの構成・使っているスケールといい、テーマのフェイクといい美意識なくしては、これだけの演奏は出来ないと思います。
晩年のマイルスもそうでいたが、目を閉じて音の出ていない休符を聴いて見て下さい・・・この曲もそうですね。バリバリに吹きまくるのではなく、どうしてここで休符が入るのか・・・それを感じてもらうと一層美しく聴こえると思います。休符も音楽の中でどんな意味があるのか考えさせられます。

単音しか出ない楽器でしか表現できない限界を完全に超越しています。ギターの単音だけで、これだけの美しさが出せるでしょうか・・・?私は無理ですね。
本当の美意識を持ち合わせているミュージシャンの美しい演奏を、先入観を持たずに聴いて欲しいです。
音楽の持つ美意識が感じられると思います。